「適切な大きさの問題」は善悪の彼岸を越えて

●梅田望夫×岩田聡×糸井重里(ほぼ日刊イトイ新聞)

10日位前から話題になっていた鼎談ですが、今日がその最終回のようです。最終回を待たずに思ったことを書きますが。
この鼎談の最も面白い箇所は第四回目のこの部分でしょうね、間違いなく。

梅田      そうです、そうです。
ぼくは、「Ruby」という
オープンソースのプログラムをつくった
まつもとゆきひろさんという人に
「オープンソースの秘密」について
うかがったことがあるんですけど、
彼がとても興味深いことを言ってたんです。
どういうことかというと、
彼にはまず、つくりたいものがあるんですね。
誰かのために、というのではなく、
「自分はこういうものがつくりたい」と思って
ひとりでダーッとつくっていく。
そうすると、自然に適切な大きさの
問題が生まれていくというんですね。
たとえば、自分のつくりたいことが、
この机いっぱいくらいの大きさだとすると、
「この机いっぱいの大きさのものをつくる」
と宣言してつくりはじめるんだけど、
人間ひとりのできることには限界があるから、
まあ、一部分だけしかできない、と。
そうすると、あいつが言ってたのに
できてないところがここにあるぞ、とか、
つくったというけど欠陥があるぞ、とか、
毎日毎日動きを続けていると、
適切な大きさの問題が
つぎからつぎに生まれるんだそうです。
で、それさえ生まれれば、
インターネット上にはそれを解決する人が現れる。
新聞にクロスワードパズルが載っていたら
それを解く人がいるように、
それをみんなが解いていくんだと。
糸井     はーーーー!
岩田     そこに山があれば登るように。
糸井     おもしろい。その感じ、よくわかる。
梅田     おもしろいでしょう?
つまり、そこには、まつもとさんといっしょに
「なにかをやってやろう」という気持ちさえない。
それをつくったらユーザーのためになるぞ、
という動機もない。
自分のステイタスのためでもないし、
まつもとさんと仲よくなりたいわけでもない。
岩田     なにかの意味のためにやるんじゃない。
単に、自分が解決したい問題がそこにあったと。
梅田     そこにあったと。そこにあるから解くと。
糸井     いや、よくわかります。
「適切な問題」を眼前にした時、利己とか利他とか善とか悪とか関係なく”その問題を解決せずにはいられない”のが人間であるということ。 「知や意思がオートマティックに構造化されていく原初的な衝動」への気付きがあって3者とも目から鱗が落ちている、という。
 で、思えば「適切な問題」を議論解決していくための舞台として「2ちゃんねる」という場は(少なくとも日本国内においては)非常に機能する空間であるし、逆に「日本のブロゴスフィア」とやらは、現状”適切な問題”を局所的にでさえ共有する機能を失いつつあるように思う。

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