リサイクル偽装時代?

実は、1年位前から既に「R100」とか「R70」とかのリサイクル率の用紙の調達はかなり困難であった。中国向けの古紙原料の需要増とかが直接的原因だと思うが、そういう状況をふまえて、”地球に優しい”紙を求められた場合、古紙配合率ではなく「計画伐採林の原料から作られた紙」「非木材紙」などを提案してきた。
 だから、今回の事件は”いずれいつかはこういう事が起こりうるかも”と紙に関わる職種の人間であればうすうす予見していたことなのだが、よりによって「年賀状」という最も国民的認知度が高い舞台で(しかも「カーボンオフセット年賀状」とか出した年に)露見してしまったな、という感がある。

 今回の問題が根深いのは、上記ニュースリンクの次の記載箇所によく顕わされている
日本製紙によると、再生紙はがきが一部で使われ始めた92年当時、工場で発生する「損紙」も古紙として使うことで「40%」を実現できると見て受注 したが、損紙が古紙として認められないことが判明。「コンプライアンス(法令順守)より、配合率を下げて品質を確保することを優先した」(中村社長)とい う。
簡単に説明すると、「紙の回収・リサイクル過程を経て"再原料化"されたものは『リサイクル』」であり「製紙・印刷会社内部での失敗の再利用は『リユース』(であり”リサイクル”ではない、という線引きなのだろうと推測する)」だとする「法律上の厳密な線引き」が大きく起因しているように思う。『本来無駄になる資源』を再利用している、という点では全く変わりが無いにもかかわらず。・・・なにか「賞味期限切れ」問題が吹き荒れた昨年後半の”食品偽装疑惑”と本質的に似た状況にあると思う。

 今年に入って「京都議定書実行年」にいよいよ突入して、温暖化問題まったなしの状況に突入しつつあり日経なぞは「CO2本位時代」とか言い出す2008年の現在において、これから「CO2偽装」みたいなことは幾らでも起きうるのだろう。単純に「リサイクルのスキーム」の問題だけとっても”家電リサイクル”のほうがより根が深く分かりにくいだろう。「紙のリサイクル」という、現在最もリサイクルが有効に進んでいる分野においてすらこうした問題が起こったことを発端に強く「本質的な資源再利用のありかた」を考えていくよい契機になってくれることを祈ります。

追加リンク:日本製紙の再生紙取引、キヤノンなど3社が中止(NIKKEI)
日本製紙グループ本社がはがきやコピー用紙などの古紙配合率を偽っていた問題で、富士ゼロックスは17日、複写機やプリンターで使う用紙のうち日本製紙か ら調達している再生紙製品の販売、受注を即日中止すると発表した。キヤノンマーケティングジャパンやコニカミノルタホールディングスも取引を停止する見通 し。一方、製紙最大手の王子製紙首脳は同日、コピー用紙でも公表数値を偽っていたことを認めた。偽装問題が製紙業界全体へと広がり、顧客企業による取引見 直しが広がる可能性が出てきた。
OA機器メーカが一斉にそして迅速に「排除」の対応を見せた模様。しかし、これら企業の「製品リサイクル」がちゃんと行われているかどうか考えていくと、それは深い闇に落ちていくこととなる。「家電リサイクル法の隙を突いて出てくる闇」もまた根深く、ヤマ○電気あたりの問題でそれらは噴出するのだが上記ニュースに登場する企業が問題視されことはまず無い・・・・・こうした企業群を「野に降ろす」ことなくして真の「カーボンオフセット社会」はあり得ないだろうと思うし、それを突き付けることが自分の残り人生でやるべき「課題」のひとつなのだろう、とも認識している。 そうした行動を取ることで自分が社会的に「消される」のであれば所詮自分が生きた日本という国の民度はその程度のものであり、そうした共同体はやがて朽ちていくしかないのだよ、という悟りも混じりながら小さく言葉を吐いてみる、といった程度で今は締めくくりたいとおもう。

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