複合的崩壊

緊急出版!ドイツW杯、日本代表は内部崩壊していた!稀代のスポーツライター3人がW杯終了後、全世界50人に及ぶ選手・関係者を徹底取材!あの時、日本代表内部になにが起こっていたのか?そして、日本サッカーに未来はあるのか??その真相に迫った書き下ろし渾身ノンフィクション(本書帯より)
正月休みにゆっくり読むつもりで買ってきたうちの1冊だったんだけど、昨日1日で一気に読んでしまったので(サッカー本を買うといつもこうだ・苦笑)ファーストインプレッションを忘れないうちに少し書いておきます。

3人の著者による共著、50人以上登場する取材対象(あとがきによると実際取材した人数は100人近くに登るという)によって”多角的に”検証するという編集方針もあってともすると散漫な印象もあるけれど「1冊のノンフィクション」としての流れは保たれている。・・・「取材対象を入念に追って濃密に描き出す」といった性質の作品では無いけれど、ある意味「ドキュメンタリーフィルム的」な構成の仕方だと思う。

海外組と国内組 黄金世代と中田英寿 先発組とサブ組 攻撃陣と守備陣 それぞれの思惑は、それぞれに交錯しあい、その溝を深くしていった。 (中略) もし、これほど無数の溝が掘られていなければ、ワールドカップ期間中にチームのあるやり方について紛糾し、チームが崩れてしまうこともなかっただろう---。(第3章より)
これら対立要因やジーコの放任主義のうちどれかが決定的原因だったという訳ではなく、こうした要素が複合的に絡みながらチームが崩壊していった・・・・・そうした「崩壊の過程」を描き出すことにある程度までは成功している。 (ある程度から先は「踏み込まない/書かない」事に腐心したというのが正しいのかも知れない)

あと文章のスタイルとして面白かったのはクロアチア戦、ブラジル戦を、「対戦国内での実況放送」と「開催国ドイツでの実況放送」を並列しながら試合を追っていくという記述スタイル。「紙面の限り」をそれ程考えなくていい単行本だからこそ出来たスタイルではあるのですが。

カバー写真は例の「決起集会・日の丸サイン事件」の時の”現物”。"日の丸サイン事件"に関して大会当時報道されていたことは事実と異なることなどについても書かれています。 

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