50年後、青空の下で

青空文庫は、利用に対価を求めない、インターネット電子図書館です。 著作権の消滅した作品と、「自由に読んでもらってかまわない」とされたものを、テキストと XHTML(一部は HTML)形式でそろえています。 作品ファイルは、縦組みを意識した統一した形式でまとめてあります。 いろいろな方が開発してくれた青空文庫対応の表示ソフトを利用すれば、本のページをめくるように、作品を読んでいけます。 多くの人に、快適に作品を味わい、自由にファイルを使ってもらうことは、この場を整えている私たちの願いです。 どうか青空文庫を、活用してください。(「青空文庫早わかり」より)

「青空文庫」は、作者の死後50年を経て著作権保護期限を終え自由に利用が出来るようになった出版物を公開している電子図書館です。
 公開のためのテキスト入力や校正(旧字で書かれた作品は新字に直されているようです)は有志ボランティアによって行われています。
 データはダウンロード用の圧縮テキストファイルとブラウザ閲覧用のHTMLの両方(もしくはHTMLのみ)が用意され、HTMLについては幾つかの専用ソフトを使うことで”縦書き表示”で読むことが出来ます。
今年新たに公開された代表例は坂口安吾。 リンクポリシーに則れば公開されているHTML書類にリンクも可能です。


・・・・・


「青空文庫」の存在は随分前から知っていましたが、これだけじっくりと時間をかけて見てみたのは今回が初めてでした。 じゃあ何故今じっくりと見てみる気になったかというと、著作権保護期間を従来の50年から70年に延長しようという動き(これまた2004年初頭位からCD輸入権などの著作権問題に関わっていた関係で知っていましたが)が、いよいよ活発になってきたからです。

日本の著作権法では、一般著作物の著作権・著作隣接権は著作者の死後50年間保護される。しかし米国や英国、フランスなど欧米先進国の多くでは70年間。この20年の差は、コンテンツが国際的流通する時代にそぐわないとと協議会は訴える。  50年という年限は、著作権の国際条約・ベルヌ条約で決まっている最低限の保護期間で、「著作権は子孫2世代にわたり保護されるべき」という考え方によるという。欧米諸国は、平均寿命が延びていることなどを理由に、70年に延長してきた経緯がある。  「日本の作家は20年分の権利をはく奪されており、創作意欲の減退につながる。海外の著作者からは『なんで日本は保護期間が短いんだ』と言われ、日本は著作物を大切にしない国だと思われてしまう」??協議会議長で、日本文芸家協会の三田誠広氏はこう訴える。(中略) 協議会(「著作権問題を考える創作者団体協議会」のこと)は、日本文芸家協会、日本シナリオ作家協会、日本児童文芸家協会、日本写真著作権協会、日本音楽作家団体協議会、音楽出版社協会、日本レコード協会、日本脚本家連盟、日本児童文学者協会、日本漫画家協会、日本美術著作権連合、日本写真家ユニオン、日本音楽著作権協会、日本芸能実演家団体協議会、日本芸能実演家団体協議会、日本歌手協会で構成されている。
 自分は直感的には「延長には反対」です。・・・「延長によってもたらされる利益は著作隣接権を持つ出版社や音楽出版社等に偏り、”作者”や著作物を利用する側への恩恵は少ない」という”反対論”の中核を成す考え方の他に、「+20年の保護期間延長によって”失われゆく”著作物が増加していく(それは例えば”10年前に出版・リリースされた本やCD”が「廃刊・廃盤」によってどれだけ死蔵しているかを考えれば想像がつく)」懸念と、10年以上前に海外で成された議論の中の「延長すれば、ごく少数のベストセラーによって売り上げを確保する傾向に拍車がかかり、新しい作品の録音や、新たなる投資への意欲を減ずることになる。」という意見などが主な理由である。

・・・・・・・・・・・・

しかしここでは、安易に「賛成」「反対」のマニュフェストを行わないことにしようと思う。自分自身も「著作権延長問題」について真剣に考える端緒としてこのエントリーを起こしている。
 またこの問題に対しての答えは立場によって多種多様だろうと思う・・・出版社やレコード会社に勤める人であれば”賛成”だろうし「ロングテイル」論を信奉する人であればその”ロング”部分に並ぶカタログが増える事になるな、と考える人もいるかも知れない。はたまた「著者」の立場の人としては「ある程度の期間が過ぎたら著者による”フリー・ドメイン化宣言”とか出来ればいいのに/クリエイティブ・コモンズの『共有』の考え方が法制化されてくれればいいのに」・・・・等など、色々だろうと思う。

「著作権」は、何かの表現すればそこに必ず発生するものである(それが利益を生み出すかどうかという違いはあるけれど) そうした「権利」と「『何かを表現したもの』がどう扱われていくのが幸せか?」の最大公約数を、自分もこれから考えていきたいと思う。


●参考リンク:
保護期間延長で、埋もれる作品激増?
著作権は何を守るのか :朝日新聞 be-business

ITmedia News:「著作権保護期間の延長を」??権利者団体が要望書 ネット時代も意識
Copy & Copyright Diary - これだけは読んで欲しい
aozora blog: 青空の行方/なにゆえの著作権保護期間70年延長か

Categories

,

0 TrackBacks

Listed below are links to blogs that reference this entry: 50年後、青空の下で.

TrackBack URL for this entry: http://resonance.s76.xrea.com/mt4/mt-tb.cgi/401

Leave a comment

(If you haven't left a comment here before, you may need to be approved by the site owner before your comment will appear. Until then, it won't appear on the entry. Thanks for waiting.)

About this Entry

This page contains a single entry by tami606 published on October 1, 2006 9:30 AM.

近未来のDPE屋さん、ってこんな感じ??? was the previous entry in this blog.

FYI @ 3rd Oct, 06 is the next entry in this blog.

Find recent content on the main index or look in the archives to find all content.

Powered by Movable Type 4.01