PSE法:いわゆる”ビンテージ機器”除外へ−−経産省発表
PSE法、ビンテージ楽器は「例外」に(IT media)
PSEマーク:「ビンテージもの」規制対象から除外に(mainichi)
中古家電の販売規制、電子楽器など除外へ・経産省(NIKKEI)
電気用品安全法の経過措置の一部終了に伴う対策について(経済産業省)
PSE法に関する新しい動き(コデラ ノブログ)
まずは、経産省発表のリリースのPDFから要旨部分を抜き出して掲載。
1 .絶縁耐力試験の実施に対する支援
事業者がPSE マークを付する際、事業者自ら絶縁耐力試験等の自主検
査を行うことが必要となるところ、こうした事業者の負担をできる限り軽
減するため、以下の措置を講ずる。このため、全国500 カ所で検査を受
けられる体制を順次整えていく(直ちに準備に着手し、可能なことから実
施を開始し、遅くとも6 月までには十分な体制を整備することを目指す)。(1)独立行政法人製品評価技術基盤機構、独立行政法人産業技術総合研
究所等を活用し、日本全国において中小事業者に対して検査に必要な
機器の無料貸出等を行う。(2)電気保安協会等の協力を仰ぎつつ、6 ヶ月の間、全国に展開する拠
点を活用して、中小事業者からの要請に応じて無料で出張検査サービ
スを行う。(3)各 都道府県、市町村等に設置される公設試験所に対して、受託検査
の実施、検査機器の貸出等を行うよう協力を要請し、これに必要な機
材等の整備について支援を行う。(4)その他、民間団体に対しても検査実施の支援について協力を要請する。
2 .書式の簡素化
事業者の事業形態に応じて、PSE マークを付する上で必要となる届出
書類について、型式の区分の統合化を行うことにより、徹底的な簡素化を
行う。3 .特別承認制度(いわゆるビンテージもの関係)
いわゆるビンテージものと呼ばれる電子楽器等については、希少価値
も高く、絶縁耐力試験を含む自主検査について心配する声も存在する。
また、こうした電子楽器等は取扱いに慣れた者の間で売買される蓋然性
も高いという特徴を有する。このため、下記の要件を満たす場合には簡
単な手続で売買ができるようにする。?)電気楽器、電子楽器、音響機器、写真焼付器、写真引伸機、写真引
伸用ランプハウス又は映写機のいずれかであること。
?)既に生産が終了しており、他の電気用品により代替することができ
ないものであって、かつ、希少価値が高いと認められるものであるこ
と。
?)旧法(電気用品取締法)に基づく表示等があるものであること。
?)当該電気用品の取扱いに慣れた者に対して国内で販売するものであ
ること。4 .その他
今後、経済産業省や関連機関の相談窓口体制を抜本的に強化する。この
ほか、新聞、テレビを通じた広報やパンフレットの配布など、経済産業省
を挙げて全力で新制度への移行に関する周知徹底に取り組んでいく。
な お、こうした対策を通じてPSE マークの付された電気用品が普及し、
安心してこれらの電気用品をリユース、リサイクルできる環境が整ってい
くものと考えている。
絶縁耐力試験で協力を拝めそうな組織がかなりの広範囲で名前が上がっている事からも、小寺氏の”今の段階で経産省製品安全課がやれるだけのことをやってくれた”という意見には同意。(とりあえず”中古として売れない電気製品”が出る事で個人もしくは企業の資産価値が減損、財産権の問題に事が及ぶのを回避するのに全力を尽くした、というとこでしょうか。・・もしそんな事になれば産業界全体から総スカンにあう事間違いなしでしょうから)。 ただしこのスキームで最も直接的に金銭的被害を被る事が予想されるリサイクルショップをどこまでちゃんと救済出来るのかはちゃんと見ていく必要があると思う。
例えば、全国500 カ所というが1都道府県辺りで言えば10か所平均。それで足りるのか?、とか、「出張検査サービス」は6か月となっているけど、その期間内で”リサイクルショップ全て「非PSEマーク」在庫”を見てまわれるのか?とかいった事をこれから(これについては4/1以降も幾らでも言い続ける事が出来ると思う。だって”言ってる事”と”やってる事”が乖離してたら、そりゃしかしアレでしょ?ってな事な訳で。)特にこれから「リサイクルショップ各位」は、積極的に”ある程度まとまりつつ”このガイドラインに意見を言っていく必要はあるでしょうね。(自らの死活問題なんだし、何より「リサイクルショップの現実」をリアルに伝えつつ要求を突き付けていく事は、やはり当事者でなければ出来ない部分は多々あると思う。出来うる限りで少しでも”まとまんなきゃ”それこそネットオークションに全て置き換わってしまうよ?)
3 の「特別承認制度」については、”特別承認”された「電気楽器、電子楽器」、「音響機器(多分ヴィンテージオーディオ)」、「写真焼付器、写真引伸機、写真引伸用ランプハウス又は映写機」の3ジャンルにあまり共通項は見出せなくて(まあヴィンテージ楽器とヴィンテージオーディオはかなり近い所に位置しますが)ただ「あぁ、楽器の世界とヴィンテージオーディオの世界と写真/映像の世界からのプレッシャーはかなり強くて、それを受けてこうなったんだろうな」的ニオイがプンプン。
だとすれば、これからでもプレッシャーを強めていけば”特別承認”に入る可能性のあるものは結構あると思う。例えば「オープンリールテレコ」がOKならば「ベータヴィデオデッキ」もOKなのでは?、更には「特定の機器でしか再生出来ない特定のソフト」に価値を認めるのであれば、過去のゲーム機も”文化的価値”という点ではなんら差異はないように思える。
(あとね、職業的に必要な人を除けば”ヴィンテージ趣味”って所謂富裕層の道楽な訳で、「ヴィンテージだけ救済」ってとこに”ここでも落差社会かよ?!”とか思わないでもないですね。)
まあ今回の経産省発表に関しての自分の考えはこんなとこなんですか、幾つか見て回った中で
これによって目先の勝利に酔ってるうちにまた税金が無駄に使われていくといった意見があったのが興味深かった。・・・しかし実際税金を投入するかどうか分からない/税の投入よりもむしろ「家電業界団体」から必要経費を徴収する方が、PSE法の本来的な主旨(国が定める安全基準はゆるくして、後は業界の”自己責任”に委ねる)からするとその方が正しいようにも思いますよ実際。(まあ、検査に関わるとされている団体の運営母体を考えると、費用を税負担しないのなら間接的に負担しているとも言えますが)
で最後に、昨日坂本龍一氏が今日15:00からのJASPA会見に先立って、(JASPAの活動意想と離れて)個人的な意思表明を自身のブログに表明していたのだけれど、その中で自分が特に共感出来る部分を引用してこのエントリーの締めとしたいと思います。
古いものは貴重です.
それが失われたら、もう取り返すことができません.
何も楽器だけのことではありません.
街や言葉や技術や思想、自然や生き物なども、同じことかもしれません.
現代は古いものを壊して新しいものを作ります.
二十世紀に加速したこの傾向はまだ続いています.
なぜそうなのか?
これは決して「気持ち」や「精神」の問題ではなく、経済の問題です.経済の要請からきているのです.例えば巨大都市開発を推進する人間たちが、古いものが嫌いなわけではないのでしょう.もしかすると個人的には骨董が趣味かもしれない.しかし、経済の否応ない要請として、古いものを壊し、新しいものを作るしかないのです.事の本質は、いらぬ公共事業としてのダムや橋建設、あるいは護岸工事などと同根です.これら全てが、目先の利益のために貴重な自然を破壊しています.自然を破壊することによって、そこに依拠している種の多様性も破壊しているのです.どのみち人間は自然の一部であり、自然に依拠しなくては生きていくことはできません.ですから必ず破壊した自然のツケは、自らに回ってきます.
もうそろそろ20世紀型の自然破壊の経済を考え直して、持続性に基づいた経済というものを考えなくてはなりません.その萌芽は世界中にうまれつつあるのではありませんか.
3/15追記:書き忘れてた事を一つ。
どうやら、ガイドライン自体をより明確にし過ぎると、製造物責任法や特許法や商標法と整合性を欠いていくという不都合がある為に曖昧にしか書けない、という側面というか事情もあるようです。この辺りは笹山登生さんの掲 示 板の[3675]前後に詳しく書かれています。・・この辺りの矛盾を是正するには(抜本的な改正をしないでやろうとしたら)「旧法(電気用品取締法)に基づく表示等があるもの」全ての対象中古家電を除外する位しか方法はなさそうなんだけど。
3/15夜更に追加リンク:
経過措置の一部終了に伴う対策について(経済産業省)
昨日発表のガイドラインを更に説明した文章、Q & Aが追加されています。
製造物責任法、商標法、特許法、意匠法との整合性に関する記述もあり。
PSE法、「ビンテージ品のみ除外」に困惑する中古業者 (ITmedia News)
既に在庫処分や廃業等を進めてしまった人達の怒りとともにこんな話も。
PSEマークは、中古品販売事業者でも製造事業者として登録し、自主検査を行えば添付できる。経産省は、全国500カ所以上で検査を受けられる体制を整え、中古品の検査をサポートすると発表した。
しかし「検査サポートは意味がない」とハードオフ担当者は語る。「検査機器は10数万円で手に入るし、店舗で検査した方が効率がいい」(ハードオフ担当者)ためだ。
同社をはじめとした中古業者がPSEマークの自社添付をためらうのは、製造物責任や商標権の問題が大きい。他社が製造した商品にPSEマークと自社の商標を張って販売することで、製造物責任(PL)法の責任を問われたり、商標権の問題が生じる恐れがある、という訳だ。
Yahoo!:ニュース検索結果(記事)「PSE」
リサイクル業者有志が参加する団体も動き出していたようですね。
あとは(ひとまず4/1までに出来る事として)どこまで押し引きが出来るか、という段階に入ってきたように思います。まだまだおかしな所や矛盾する点山積みではありますが、少なくとも(1か月位前の)”ある時期から以前に生産された中古家電品売買が全面的に出来なくなるかも知れない”という状況よりはマシだとは思います。
また、坂本氏の”経済の問題です.経済の要請からきているのです”という言葉を受け「このような法律が出来た理由」について考えてみると”背景”が透けて見えてくると思うのですが、それ故この法律を改正するのは(いくら世論や立法府を動かしたとしても)なまなかでは無いだろうな、とは予想しています。そういう事も考慮した上で、例えば小寺氏は「家電業界はPC業界同様の自主基準を」と書いていたりするのですけどね。とか、どっちかっちゃあ「所謂ガイドライン派」とかにカテゴリされてしまうらしいワタシは思ったりしてます。
※PSE法に関して単独エントリーをあげるのはこれでひとまず打ち止め、とします。いい加減きりがなくなってくるので・・・もう書く事は無いかも知れないし、書くとしても4/1以降に”結果としてどういう状況になってしまったか”を書いてみる事はあるかも知れないけれどね。(まあうちのblogにいつも目を通してくださってる方からすると法律の話とかもういい加減いいよ、とか思われてるかも知れませんが)
3/21追加リンク:
↓コメント欄の話題となっている「YAHOO!掲示板の書き込み」のリンクを追加しておきます。
電気用品安全法の現実的運用方法(Yahoo!掲示板 - 家庭電化製品全般 - 【PSE法】)
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tami606さん。
お久しぶりです。
私の掲示板の記事のご紹介ありがとうございました。
ところで、このYAHOO掲示板の記事については、私の掲示板
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi
3746でも、紹介しておきました。
かつての実務担当者らしき方の投稿で、非常に興味のあるものでした。
この「上市」という言葉は、英語で、「Put on the market」または「placing on the market」といいますが、EU司令やイギリスでは、修理とリユースについては、上市(Put on the market)とは別概念として、規制から除外していますね。
ちなみに、イギリスの「“The RoHS Regulations”」(The Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment Regulations 2004)
「電機機器ならびに電子機器における特定危険物質使用規制」
http://www.dti.gov.uk/sustainability/weee/RoHS_Regs_Draft_Guidance.pdf
では、
「Exemptions
16. The RoHS Regulations do not apply; To the reuse of EEE placed on the market before 1 July 2006.」
(RoHS規制の除外規定?2006年7月1日以前に上市された電気電子機器(EEE:Electrical and Electoronic Equipment)のリユース)
となっていますね。
また、EU司令(DIRECTIVE 2002/95/EC )においても、同様の扱いのようです。
笹山様>
コメントありがとうございます。何か却ってお手間を取らせてしまったようでどうも申し訳ありませんでした。
ここのblogだけ読んでいる方にも分かるようちょっと説明しておきますと、YAHOO!の掲示板にPSE法に関して専門家とおぼしき方の書き込みが話題を読んでいる、という話です。
『EUやイギリスでの「上市」の概念を導入していれば(もしくはこれからでも導入出来れば)中古売買・リユース・リサイクルについては電安法の適用外』であるのに何故それが出来ないのか?が大いに疑問ではあります。
YAHOO!書き込み氏の言われるように「法を杓子定規的に解釈してしまった」からなのか、一度”中古も対象の範囲内”との解釈を出してしまったので後には引けない状態になっているのか、もしくは「海外への中古家電品の流通・売買」を問題視しているからなのか(あまり根拠は無いのですが、特別承認制度の中にわざわざ”当該電気用品の取扱いに慣れた者に対して国内で販売するものであ
ること。”としている辺りが気になっています)
ただ最近になってやっとこうした「改正するとしたらどこをどう改正するべきなのか」具体的な意見や、法律の専門家からの様々な意見・議論が出てきたようですね。
ところで、日本、というか東京は「世界一ビンテージ電子楽器の在庫が揃っている」事で有名で、その筋のミュージシャンやエンジニアは来日時は必ず原宿の某ショップに寄っていく程なのですがこれが「国外販売禁止」となってしまうと皆さんお怒りになるんじゃないでしょうか。”ビンテージ鎖国”してる、とか言われかねないように思います。
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